大関安青錦(22)が29日、福岡・久留米市の安治川部屋で、九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)に向けて相撲を取る稽古を再開した。三段目の安強羅(あごうら、27)を相手に21番を取り、全勝した。長く故障に悩まされてきた左足の状態は上向いており、今後は約半年ぶりの出稽古も計画していると明かした。昨年初優勝を果たして大関昇進を決めた思い出の地で、7月の名古屋場所以来4度目の優勝を狙う。

今年になって相次いで痛めてきた左足首や左足親指の回復具合にメドが立ち、稽古場で心地いい汗をかいた。安青錦は三段目力士相手に素早く左前まわしを引き、低い前傾姿勢の攻めを展開するなど21番。充実の表情を浮かべた。

「こんなに稽古できたのは久しぶり。慣らしていくために20番以上やろうと思っていた。体も動いていたし、悪くなかった」

秋場所の千秋楽相星決戦で横綱大の里に敗れた後は患部の回復を優先し、稽古で相撲を取っていなかった。場所前の稽古では、7月の名古屋場所は関取衆との稽古はわずか1日のみ、先場所も直前の3日間に部屋の幕下以下の力士相手に取っただけで、調整不足での出場を強いられていた。それだけに「余計な不安はなく、場所に臨めるのはいいこと」と実感を込めた。今後は、夏場所前以来となる出稽古を行い、調整のペースを上げていく計画。師匠の安治川親方(元関脇安美錦)は「あとは指の付け根の部分が大丈夫かどうか」と述べた。

昨年の九州場所では初優勝で大関昇進を決めた。その後は新大関V、関脇への陥落、大関復帰と波乱の土俵が続いた。思い出の九州で再び賜杯を抱き、新年に再び綱とりに挑むことができるか。「(初日まで)まだ時間はある。いい相撲を見せられるように準備していきたい」。頂点を狙うため、ここからさらに状態を上げる。(石井文敏)