[ 2026年10月6日 07:00 ]

秋場所が終わって1週間あまり、きょう6日からは秋巡業が始まります。日程は25日まで。私は初日(6日)の茨城・つくば市巡業の先発親方として地元の主催者らと準備作業に入っています。今回は北陸や関西、中国地区などを回って九州入りしますので、巡業である程度、体をつくって場所前の調整につなげることが重要です。

先日、相撲教習所の入所式に名古屋場所でデビューした田所と秋場所初土俵の松の里(小林)が出席しました。彼らは半年間同所に通って力士としての基礎などを習得することになります。教習所は両国国技館の一画にあり、実技に加え「相撲史」「運動医学」などの授業を受講します。「相撲甚句」はしばらくカリキュラムにはなかったのですが、今年の6月に春日山親方(元関脇・勢)が担当になって9年ぶりに講義が復活。個人的には歓迎です。 私は24年前の02年春場所後に教習所に入所しました。当時は1期前(同年初場所初土俵)に秀ノ山親方(元大関・琴奨菊)と豊ノ島さんがいました。高校時代の実績が抜けている存在でしたが、正直、中卒で何も知らなかった私は肩で風を切るようなオーラを全身から漂わせていましたね。血気盛んというか、怖いもの知らずというか…。 稽古はレベルに合わせて強い方からA班、B班、C班と分けられました。私はB班からスタートしましたが、10人抜きでA班に昇格。必死に実績上位の2人に食らいつきました。期間は半年といっても場所中は休みになりますし、実質通いは3カ月ほど。短い間でしたが、そんな中でも相撲の基本からいろんなことを学ぶことができました。左四つを覚えたのも教習所時代なんです。最初は右四つだったんですが、稽古相手が右の脇が甘かったので、左差しが多くなっていつの間にか自分の体に身についた感じです。 同期生は49人。今では多いなという印象を持たれるかもしれませんが、当時は歴代最少だったんです。春場所は昔から「就職場所」ともいわれ、100人超えもあった時代ですから。同期生とはあまり行動を共にすることはなかったですね。みんな敵と思っていましたし、こちらから話しかけるとかはしませんでしたね。一匹狼で、とにかく早く強くなりたい、その思いだけでした。千代の真が2012年に引退して、飲みに誘われたのが「同期飲み」の最初だったと思います。 私は19年に引退しましたが現役として頑張っているのが関取経験者の北ハリ磨(※「ハリ」は石へんに番)、鳰の湖(ともに山響部屋)、磐受(伊勢ケ浜部屋)の3人。入門当時の印象ではこの3人が40歳までやっているとは思いませんでしたね。50歳まで頑張れと激励していますけど(笑い)。 デビューから半年間、期間としては短いですが、教習所での経験は貴重なものです。新弟子はしっかり力士としての基礎を勉強して相撲人生の糧にしてもらいたいと思います。 (二所ノ関寛=元横綱・稀勢の里)

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