大相撲元横綱の白鵬翔氏(41)が29日、Xを更新。「あしたのジョー」「おれは鉄兵」などで知られ、漫画家として初めて文化勲章を受章し22日に87歳で死去した、ちばてつや(本名・千葉徹弥=ちば・てつや)さんについてつづった。

白鵬氏は「日本のマンガ界の真の横綱—ご冥福をお祈りします。相撲取りだった頃に私のためにしてくださったすべてに感謝します;私は前進し続ける中で『のたり松太郎』の思い出を大切にします。天国で安らかにお休みください」と呼び掛けた。

1939年、東京都出身のちばさんは父親の仕事の関係で幼少期を旧満州(中国東北部)で過ごした後、46年に日本に引き揚げ、56年に単行本作品「復讐のせむし男」でプロデビューした。58年に少女漫画「ママのバイオリン」の雑誌連載を開始。61年にプロ野球・巨人を舞台にした野球漫画「ちかいの魔球」で週刊少年誌に進出し、「紫電改のタカ」「ハリスの旋風」など次々と人気作品を発表した。

大きな転機が、67年12月発売の「週刊少年マガジン」で連載が始まった「あしたのジョー」。原作者の梶原一騎(筆名・高森朝雄)さんと組み、孤独な不良少年・矢吹丈がボクシングを通じて成長する姿を描き、学生運動が盛んだった当時の状況も相まって大ヒット。丈のライバルである力石徹の死は大きな反響を呼び、70年に劇作家の寺山修司さんらによって東京・講談社講堂で葬儀が営まれ、数百人のファンが参列。同年3月に発生した日航機「よど号」のハイジャック事件では犯人の赤軍派メンバーが「われわれは〝明日のジョー〟である」と声明を残して北朝鮮に亡命するなど社会現象となった。

0年代以降も「おれは鉄兵」「のたり松太郎」「あした天気になあれ」など学園やスポーツをテーマにした作品を多く発表。戦後の過酷な引き揚げ体験を漫画や自伝でたびたび取り上げ、講演活動も精力的に実施した。

1990年代に心臓疾患と網膜剥離(はくり)を患って以降は創作活動を控えめにしていたが、2012年から18年まで日本漫画家協会理事長を務めるなど後進の育成にも尽力。15年にエッセー漫画「ひねもすのたり日記」の連載を始め、06年から公式ブログ「ぐずてつ日記」をスタート。21年に短編集を刊行し、24年に漫画家として初めて文化勲章を受章と晩年まで活動を継続していた。

■ちばてつや 本名・千葉徹弥。1939(昭和14)年1月11日生まれ。東京都出身。少年時に両親と旧満州で過ごし、終戦後に帰国。50年、友人の作る漫画同人誌「漫画クラブ」に参加し、17歳だった56年に貸本漫画家としてデビュー。58年に「ママのバイオリン」で雑誌連載を始めた。2001年に文部科学大臣賞、03年に紫綬褒章、12年に旭日小綬章、14年に文化功労者、24年に文化勲章と数々の表彰を受けた。

■白鵬 翔(はくほう・しょう)旧名ムンフバト・ダバジャルガル。昭和60(1985)年3月11日生まれ。モンゴル・ウランバートル出身。父のジジド・ムンフバトさん(故人)はメキシコ五輪レスリング銀メダリスト。宮城野部屋で平成13年春場所初土俵。18年夏場所初優勝。19年名古屋場所で新横綱。22年に史上2位の63連勝。優勝45度、通算勝利数など史上1位。通算1187勝(幕内1093勝)247敗253休。殊勲賞3回、敢闘賞1回、技能賞2回。金星1個。得意は右四つ、寄り、上手投げ。令和元年9月に日本国籍取得。