[ 2026年7月30日 05:00 ]

日本相撲協会は29日、名古屋市のIGアリーナで大相撲秋場所(9月13日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、丹治(20=荒汐部屋)と元中学横綱の時不動(22=時津風部屋)の新十両昇進を決めた。再十両は生田目(24=二子山部屋)。新体操経験のある丹治は名古屋市中川区の荒汐部屋で会見し、付け人を務めていた関脇・若隆景(31=荒汐部屋)から学んだ勝負哲学を生かし、精進することを誓った。

会見場で大勢の報道陣の姿が視界に入った丹治は「これが関取なのか」と率直な感想を漏らした。東幕下筆頭で迎えた名古屋場所は3勝1敗と昇進にリーチをかけながら硬さもあって2連敗。それでも師匠の荒汐親方(元幕内・蒼国来)に「稽古場でやっていることだけを集中してやれ」と言われ、7番相撲で勝ち越しを決めた。「自分の相撲に集中できたので良かった」と表情を緩めた。 ロシア出身で母国で新体操の選手だった母ナタリアさんの影響で、幼稚園児の頃から小3で相撲を始めるまで新体操に取り組んでいた異色の経歴を持つ。体の柔らかさや体幹の強さは大相撲の世界でも発揮され「バック転くらいできていました。股割りは苦労しなかったです」と周囲を笑わせる。師匠も「新体操をやっていたから身体能力は高い」と入門時から期待をかけてきた。 15歳で入門し、17歳で幕下昇進。10代での関取昇進も期待されたが、当時は体格が伴わず立ち合いで当たり負けする相撲が続いた。だが体重は入門時から30キロ増の144キロと肉体改造にも成功。稽古でも幕内力士と堂々と渡り合う圧力を身につけている。 夏場所では優勝した関脇・若隆景の付け人を務め、支度部屋での準備、花道でのルーティンなどを学んだ。「ここぞの集中力が異常なほど凄い」と自身のメンタル強化にも影響を及ぼしているという。福島出身で道場も同じ偉大な兄弟子は場所中に手術するなど再起を目指しているが、昇進を決めた後には「オメデトウ」と祝福されたという。会見に若隆景の浴衣で臨んだ20歳は「心技体を鍛え、強い力士になる」と並々ならぬ決意をにじませた。 《若隆景リハビリ開始》丹治の会見に同席した師匠の荒汐親方は、名古屋場所を全休した関脇・若隆景が29日にリハビリを開始したことを明らかにした。若隆景は今月1日の出稽古で左太腿に違和感を訴え、神経まひなどを引き起こす「コンパートメント症候群」の診断で緊急手術を受けていた。24日に東京都内の病院を退院。師匠は「現在は歩行はできている」と説明した。復帰時期については「いきなり負担をかけると再発の可能性があると言われている。慎重にやるしかない」と述べた。 ▽主な他競技出身の力士 学生や高校相撲から入門する力士が少なかった時代はさまざまなスポーツを経て角界入りするケースが多かった。元大関・貴ノ花は水泳の五輪候補、元横綱・千代の富士はバスケットボール、陸上競技と万能型だった。元関脇・蔵間は柔道とラグビー。最近は伯乃富士と錦富士がサッカー出身として知られる。 ◇丹治 純(たんじ・じゅん)本名同じ。2006年(平18)6月5日生まれ、福島市出身の20歳。小学3年から若隆景の父、大波政志さん(元幕下・若信夫)が指導する県北相撲協会で競技を始める。中学卒業後に荒汐部屋に入門し22年春場所初土俵。今年1月の初場所から4場所連続勝ち越しで十両昇進を決める。得意は右四つ、寄り。家族は両親と兄・大賀さん(元幕下・大賀)。1メートル85、144キロ。

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