[ 2026年9月14日 10:50 ]

国民スポーツ大会(旧国民体育大会)相撲競技が11~13日、青森・十和田市相撲場で開催された。成年の部団体戦(3人制)は、石川県が2年ぶり4度目の優勝を果たした。

石川県は先鋒・森田陽彦(金沢学院大4年)に、中堅・池田俊(24=ソディック)と大将・三輪隼斗(31=ソディック)の昨年世界選手権で団体優勝した日本代表メンバー2人を加えた最強布陣。圧倒的な強さを見せ、予選1回戦から準決勝までの全6試合3―0の完勝で決勝に進出した。 決勝は千葉県と対戦。先鋒戦で森田が敗れたが、中堅戦で世界選手権無差別級2連覇王者の池田が力の違いを示す一気の押し出しでタイに戻した。「1―1に回せば(大将の三輪が)絶対勝ってくれるので絶対につなげようと思っていた」と池田。勝負の行方は、これまで何度も大事な場面で勝負強さを発揮してきた“守護神”三輪に託された。三輪は大きな松永ジョージを相手に中に入ってもろ差しの体勢を作り、足技も使いながら攻め込んでおいて右からの鮮やかな下手投げで快勝。「自分の形になれば勝てる自信があった。1―1になったら僕が勝って貢献したかった」。今回もプレッシャーが掛かる局面で無類の強さを発揮し、チームを優勝に導いた。 昨年は優勝候補筆頭と目されながら決勝トーナメント1回戦で鳥取県に敗退。「去年は情けない結果に終わってしまった。今回は準々決勝で鳥取に雪辱を果たせて、そこから良い流れが作れた」と見事に奪還を果たした。三輪は2016~2022年まで新潟県チームの5連覇に貢献しており、石川県としての優勝は一昨年に続いて2度目。国スポの団体優勝は自身通算7度目となった。 団体予選で3勝を挙げた33人による個人戦は、岩下琳晋(22=鹿児島県)が頂点に立った。決勝の相手は昨年の学生横綱で国スポ2連覇を狙った杉本弘樹(愛知県=日体大4年)。左四つで攻め込まれた岩下が土俵際でなんとか残して右から抱えて振って体を入れ替えると、杉本の左足が俵を踏み越して勝負が決まった。「ベスト8が目標だった。自信は全然なかった」という岩下。初めてのビッグタイトル獲得に、土俵上で歓喜の涙を流した。岩下は鹿児島商高時代に全国大会入賞経験はなく、金沢大会16強が最高実績。社会人になってから急成長を遂げ、今年6月の西日本実業団選手権重量級(115キロ以上)で初優勝を果たした。身長1メートル75、体重190キロで腰の重い左四つが武器。今大会では左差し速攻や押して前に出る内容が目立った。 鹿児島県出水市出身で、鹿児島商高を卒業後は大学へ進学せず母校の職員を経て昨年から地元の運送会社に就職。相撲部の強い大学や角界からも多くの誘いがあったが「鹿児島から出たくなかった。アマチュアで頑張って鹿児島全体のレベルを上げたかった」と地元への恩返しを選択した。大学相撲未経験者が国スポで優勝するのは極めて異例。現在は母校の鹿児島商や今年の全国高校総体を制した鹿児島実などで稽古に励んでいるという。鹿児島商時代の恩師は、今年1月に亡くなった元アマチュア横綱の禧久昭広さん。「師匠である禧久先生の目標は“弟子からアマチュア横綱を出すこと”だった。自分がそれをかなえられるようにアマチュア横綱を目指して頑張りたい」と今後の大きな目標を掲げた。 ▽団体戦 準々決勝 千葉 2―1 埼玉 大阪 2―1 秋田 石川 3―0 鳥取 福島 2―1 高知 ▽準決勝 千葉 2―1 大阪 石川 3―0 福島 ▽3位決定戦 大阪 2―1 福島 ▽決勝 石川 2―1 千葉 森田陽彦 寄り切り 児玉亮○ ○池田俊 押し出し 安藤珠璃 ○三輪隼斗 下手投げ 松永ジョージ ▽個人戦 準々決勝 岩下琳晋(鹿児島県) 押し出し 北野龍也(滋賀県) 麻田遥人(大阪府) 寄り切り 長内風道(青森県) 西出大毅(和歌山県) 寄り切り 奥田史祐(高知県) 杉本弘樹(愛知県) 押し出し 橋本幸一(大分県) ▽準決勝 岩下琳晋 突き落とし 麻田遥人 杉本弘樹 寄り切り 西出大毅 ▽3位決定戦 麻田遥人 送り倒し 西出大毅 ▽決勝 岩下琳晋 寄り切り 杉本弘樹

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